軍事用から子どもたちの定番アイテムになったランドセルの意味とは?
出典 http://blog.livedoor.jp/militarism_armyant/archives/65493854.html
ランドセルは幕末にオランダから入ってきた言葉で、
背負いかばんを意味する『ransel(ランセル)』が
日本式に訛ってランドセルとなったと言われています。
当時、ランドセルと呼ばれていたものは
布製のリュックサックのような物で、使用する用途も軍事用であり、
今のランドセルとは、形態も用途も、意味も違うものでした。
そんなランドセルが現在の子供用の
学習道具を入れる箱型鞄になったのは、
明治時代になってのことで、
学習院の生徒たちが人力車や馬車で登校することを禁じられたため、
それまで、だれかに持ってもらう、もしくは馬車で運んでいた
学習道具を自分で運ばねばならなくなった時、
ランドセルと呼ばれていた背嚢を用いたことから、
『ランドセル=学習道具を入れる鞄』という意味が生じました。
ただし当時のランドセルは今のランドセルとは、
随分と形も、意味も違うものであった事がうかがえます。
というのもランドセルと言えば、
今ではほぼ全員の小学生の学習道具を入れる
箱型、革製の背負い鞄ですが、当時のランドセルは布製。
しかも使用するのは学習院の生徒だけという状況でしたから、
学校指定の背負い鞄くらいの意味しかなかったようです。
ランドセルが今のような形状になったのは明治
20年のことで時の皇太子(大正天皇)の学習院入学に際して、
伊藤博文が革製、箱型のランドセルをつくらせて
献上した際のことでした。
このランドセルが非常に画期的であったことから名家の子息、
子女がこれを真似て革製・箱型ランドセルを使うようになり、
ランドセルが広まり始めたようです。
しかし、このランドセルが庶民にまで波及して、
本当の意味で現在のランドセルと同じ意味をもつものになるためには、
昭和30年代まで時をまたねばなりません。
現在のランドセルが意味するのは小学生の学習道具入れですが、
ランセルが入ってきた当初は軍事目的で兵隊が使うものでした。
さらに富裕層の子供たちのみが背負う
学習道具入れを意味するものに変わり、
現在のランドセルの意味へと変化を遂げました。
興味深いことに現在のランドセルを見て
軍隊を連想する人はいないけれど、
小学生を連想する人はたくさんいます。
ランドセルというものの用途が変わり、意味が変わることによって
ランドセルは当初のものとは全く違った、
新しい意味をまとった名称へと変化していったのです。
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