お下がりでも、ランドセル!
「お下がり」、という言葉を聞くと、なんだか古くさい
とか、あまり良い感じがしませんが、実は、うちはラン
ドセルをお下がりしたんです。
娘がふたりいて、お姉ちゃんが小学校を卒業するのと入
れ違いで、下の子が入学したんです。自分で言うのもア
レなんですが、ふたりとも物をとても大切にする性格で、
お姉ちゃんは6年間しっかりランドセルで通いました。、
当時としては最高級の皮を使ったランドセルを買ったの
で、多少のキズは仕方ないにしても、年月とともに風合
いが出てきたので、妹のほうは、お姉ちゃんのお下がり
に抵抗はありませんでした。
お姉ちゃんの思い出がいっぱい詰まっているランドセル
だからね、と念押しされて、小さいながらも気合いを入
れて使っています。
お下がり! とクラスの子に言われることもあるそうで
すが、本人はめげることなく、そうよお下がりよ! と
胸を張って応えているとか
しかし、お下がりに関しては、ひとそれぞれ、さまざま
な意見があるようです。
「お下がり? とんでもない! ほかのお子さんがピカ
ピカのランドセルなのに、“持ち”がいいからって、お
下がりを背負わせるなんて、もうその時点で、小学校生
活のスタートが出遅れることになりませんか。子ども自
らがいじけたり、子どもは遠慮がないから、お下がりだ
という理由でいじめに遭うかも。たとえ、家の経済状態
が厳しくても、ランドセルは一人一個が望ましいと思い
ます」
「上の子は5年生までランドセルを使い、まだまだ大丈
夫と思い、弟にはお下がりを与えました。ところが、予
想以上にランドセルの傷みが進んで、修理に出すことも
考えましたが、少し前に『6年間保証』が切れていたん
です。いまさら新しいランドセルを買うのも変だし、し
ばらくはだましだまし使って“卒業”してね。こんなこ
とになるなら、最初からお下がりではなく、新品の、弟
専用ランドセルを買ってあげればよかったかな……」
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